塗装設備の定期自主検査(法定)についてポイント
製造現場に欠かせない塗装ブースや乾燥炉(バーナー付)。これらの設備は、日々の生産性や品質に直結する一方で、労働安全衛生法に基づく「定期自主検査」が義務付けられています。本記事では、法令の概要から点検項目、記録の取り方、よくあるトラブルまで、現場で役立つ実践的な情報をわかりやすく解説します。
定期自主検査とは、労働安全衛生法第45条および労働安全衛生規則に基づき、事業者が自らの責任で設備の安全性を定期的に確認する制度です。
対象となる設備には、以下のようなものが含まれます。
- 局所排気装置(塗装ブース)
- 乾燥設備(乾燥炉・バーナー付き含む)
これらの設備は、年1回以上の点検が義務付けられており、点検記録は3年間保存する必要があります。
塗装ブースでは、有機溶剤や粉じんを扱うため、局所排気装置の性能維持が重要です。
以下の項目を中心に点検を行います。
主な点検内容
- 風速測定
- フィルターの目詰まり・損傷確認
- 排気装置の状態確認
- 操作盤の状態確認
乾燥炉は高温を扱うため、火災や爆発のリスク管理が重要です。
以下の点検を実施しましょう。
主な点検内容
- 炉内の状態確認
- 炉内フィルターの詰まり・損傷確認
- 燃焼装置の状態確認
- 制御装置の動作確認
- ファン・モーターの状態確認
点検結果は、記録簿に明記し、3年間保存する必要があります。
記録には以下の情報を含めましょう。
主な点検内容
- 点検日
- 点検者氏名
- 点検項目と結果
- 是正措置の有無と内容
- 使用した測定機器の情報(風速計など)
- 点検未実施による労基署からの是正勧告
- 排気装置の不備による有機溶剤中毒事故
- 乾燥炉の火災事故と消防署からの指導
これらは、点検の未実施や記録不備が原因で発生することが多く、企業の信頼や生産活動に大きな影響を及ぼします。
パーカーでは、塗装設備の安全運用を支援する以下のサービスを提供しています。
- 定期点検の代行
- 点検記録簿の作成
- 作業主任者の選任支援
- 設備更新・改善提案
定期自主検査は、単なる法令対応ではなく、現場の安全と品質を守るための重要な取り組みです。
「何から始めればいいかわからない」「点検のやり方が不安」という方は、ぜひパーカーエンジニアリングにご相談ください。
